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「冴子 Ver.3」その32

「冴子 Ver.3」その32

冴子は
駆け落ちした
勇治が
高校時代から思いを寄せていた人であること
誤解から
諦めたこと
会社に勤めて
いわれのない差別受けたこと
そして
登との結婚
子供の出産
そして
登が家に帰ってこないことや
子供たちも帰ってこないこと
勇治との再会
父親の死
そして駆け落ち
それから
神戸に住んで
パン屋を始めたこと
震災
勇治が目の前で焼死したこと
を順に話しました。

小一時間かかりましたが
すべて話せたと
思いました。

登の両親は
口を一文字にして
聞いていました。

子供たちは
聞き入っていました。

冴子は
「身勝手な
私の気持ちから出たものですが
その時は
その方法しかなかったのです。

すみません。」と
謝りました。

息子は
「家にはあまり帰らなかったのは
事実だけれど
その時に
帰ってきて欲しいと
言って欲しかった。」と
ぽつりと言ってくれました。

冴子は
謝っても
謝りきれない
後悔をしました。

外はもう
真っ暗になっていて
灯籠に灯が入って
庭の木々が
見えました。

椿の赤が
さえていました。

冴子は
もう帰った方が
いいと思って
それを言いました。

娘だけが
玄関まで
送ってくれました。


家を出て
後ろを振り返ると
娘は
まだ家の前に立っていました。

深く頭を下げて
足早に帰りました。

家が見えなくなるところまで来ると
川上さんが
分厚いダウンジャケット着て
立って待っていました。


冴子を見付けると
何も言わずに
近づいて
手を繋ぎました。




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