翌週の日曜日
社長と設計担当と優子は
リフォームをするお客様の家を
訪れました。
優子も
一応社員ということで
新しい作業着と
研修生の腕輪をして
家に入りました。
家人は
「子供が大きくなってきたので
広くしてほしいと」と
要求を言いました。
設計の担当は
手際よく
現況の寸法を
写し取り
写真を撮りました。
社長は
具体的な要求を
聞きました。
優子は
メジャーの端を持つのが
精一杯で
うろうろするばかりです。
小一時間で
その家を後にして
会社に帰りました。
さっそく
現況の家の
図面を
起こすように指示され
パソコンに向かいました。
書いたメモが
十分だったので
現況図が直ぐに出来上がりました。
午後から
どのような提案をすべきかを
3人で相談しました。
優子も意見を求められましたが
うまく言えませんでした。
問題点を整理して
会議は終わりました。
終わり際
「5時まで君なりの
意見を図面にまとめてみるように」
と指示されました。
優子は
大学の勉強には
ある程度自信が会ったのですが
実際の仕事とは
全く違うと思いつつ
夕方まで
あーだ
こーだ
そーだ
と思案をめぐらし
優子なりの一案を
CADで書き上げました。
少し逸脱しているように見えるけど
ロフトがあって
天窓がある案を
書いてみました。
お客様の要求は
すべて満足できているように思いました。
退社間際に
社長がやってきて
成果物を「ほー」
と言って受け取って行きました。
それから事務の人が来て
その日のお給料をもらって
印鑑を押して
帰りました。
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